2016年7月31日日曜日

共産党と市民派の「立憲主義」
――参院選敗北の最有力?戦犯?

★自民党と反動どもの改憲策動、軍国主義路線を断固粉砕しよう!
★「搾取の廃絶」と「労働の解放」の旗を高く掲げよう!
★「労働者党再建」と「国政への復帰」を勝ち取ろう!
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「海つばめ」ダイジェスト 第473号
 2016年7月30日【無料版】
 マルクス主義同志会 http://www.mcg-j.org/

 ――嵐よ! 強く強く吹き荒れろ!――

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共産党と市民派の「立憲主義」――参院選敗北の最有力?戦犯?
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 参院選で野党は惨敗したが、その原因の一つは、憲法擁護を主要な課題として闘ったことにある。もちろんブルジョアや反動の政府の改悪策動に反対して闘う場合はあり得るとしても、参院選における共産党や市民派の憲法闘争は抽象的、観念的であって、労働者、勤労者に訴える内容はほとんどなかった。

 そして彼らのそんな立場を象徴したのが、「立憲主義」といった俗論であり、そんなものを闘いの根底としたことであった。
 立憲主義の本質は、憲法に対する非歴史的、観念的接近であり、ドグマであって、憲法は「国家から個人を守るためのもの」、「個人がその生き方を全うできるよう、国家権力を縛るためのもの」といった観念である。

 こうした見解が、一方で「個人」を絶対化し、その対極に「国家」をおき、その対立関係の中で人間の社会関係について語る、幼稚な歴史的観念論であることは一目瞭然である。

 だから彼らは自民党の憲法草案が、13条の「すべて国民は個人として尊重される」とあるのを、「人として尊重される」と書き変えているのを本質的な問題だとヒステリカルに叫ぶのだが、個人主義者としての卑しい本性を自ら暴露しているだけである。

 彼らは立憲主義は人類の進歩の中で生み出されてきた、最高絶対の原理であり、その源流はブルジョア革命期の人権宣言等々にあると言いはやすが、しかしその時代の憲法や人権宣言自体が、「個人」ではなくて「人」を謳っているのだから、彼らの主張も珍奇であり、台無しである。

 こうした連中は、「人権」と言うからには「個人」のものだと勝手に思い込むのだが、しかしブルジョア革命期における「人権」とは国民全体に関する問題であった、というのは、貴族支配に反対したブルジョア階級は自らを国民全体、したがってまた人類全体と仮想し、そのように自己規定していたからであって、「個人」の問題など全く考えていなかったのである。立憲主義の観念論者たちは歴史についても根本的なことは何一つ理解していないのである。

 そして彼らは立憲主義は民主主義を超えるものであるかに言いはやしている。彼らにとっては民主主義はそれ自体、“衆愚主義”であって、だからこそ簡単に専制政治やファシズムに転化するのである。彼らの立憲主義にはブルジョア的貴族主義や、“選民主義”が色濃くこびりついており、進歩的というより保守的であり、現状肯定的である。

 そして彼らはある意味で国家を前提し、絶対化して議論するのであり、その国家は人民の国家ではなくエリートの支配する知的道徳的国家、尭舜らが「徳」でもって支配した古代の王権国家や、英明なる啓蒙君主の支配する“絶対主義”国家である。こうした国家を「縛る」者(影響を及ぼして、理想国家を建設する者)は、民主主義は無用なのだから、そして人民は“衆愚”なのだから、結局は樋口陽一らの最高の哲学的、道徳的存在であるエリートたちである。

 立憲主義が民主主義に対して否定的で懐疑的なのは一つの必然である。彼らは徹底した個人主義者として、国家に対してだけでなく、“衆愚”の多数派や、多数決によるその「独裁」にも反対し、抵抗しなくてはならないのである。

 しかし労働者、勤労者は民主主義に反対するのではなく、それを徹底し、「労働の解放」を目ざすのであって、ブルジョアエリートらの、ありがたい“啓蒙的”専制を享受することなどまっびらごめんである。

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マルクス主義同志会機関紙『海つばめ』第1281号(2016.7.31発行)
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【1面トップ】財政膨張政策への転向
          ――安倍黒田の?異次元?策も種切れだ
【コラム】飛耳長目
【2面主張】共産党と市民派の「立憲主義」
          ――参院選敗北の最有力?戦犯?
【2面トップ】「人間」視するなら天皇制廃止しかない
          ――憲法は天皇を「旗」と同等のモノ(「象徴」)と規定


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