2016年7月22日金曜日

負けるべくして負けた民共/『海つばめダイジェスト』7月22日号

★自民党と反動どもの改憲策動、軍国主義路線を断固粉砕しよう!
★「搾取の廃絶」と「労働の解放」の旗を高く掲げよう!
★新しい労働者党と労働者の政治進出を勝ちとろう!
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「海つばめ」ダイジェスト 第471号
 2016年7月22日【無料版】
 マルクス主義同志会 http://www.mcg-j.org/
 ――嵐よ! 強く強く吹き荒れろ!――

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負けるべくして負けた民共
政治的に敗北、さらに野党共闘で失敗
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 6月22日に告示され、7月10日の投票日前日まで、18日間にわたって闘われた参院選は、自公を中心としたブルジョア勢力、反動派勢力が非改選の議員もふくめて3分の2以上を占める結果となり、彼らの圧勝に終わった。

 安倍は憲法や安保法(共産党などが「戦争法」と呼ぶ昨年秋に成立した法律)が?争点?ではない、アベノミクスの正否を、妥当性や正当性を問う選挙だと叫んだが、そのアベノミクスに対する有権者の支持が2割、3割だという中で行われた選挙において、自公が圧勝して民共が敗北したということは、民共が自滅したということ、安倍政権が勝ったということでなく、民共が全く支持されなかっただけであるという、深刻な政治的頽廃と、?政党政治?や?民主主義?体制の末期的症状を暴露する以外の何ものでもない。

 とりわけすでに政権について、その無力と破綻を労働者、勤労者の前にさらけだし、見捨てられている民進党(旧民主党)との野党共闘に賭けて失敗した、共産党の日和見主義――というより、それ以前の政治的愚劣さと愚鈍さの問題かもしれない――は致命的であって、こんな政党は旧社会党の後を追って解党し、消えてなくなる以外ないのではないのか。

 安倍はいくら民共に攻撃され、挑発されても――いわく、改憲を言わないで経済好転の幻想で釣って多数を獲得し、いつたん国会で3分の2の多数派を形成したら、それをテコに改憲を強行しようしている、逃げている、卑怯だ、非民主的だ等々――、参院選中、街頭などで頑強に「憲法」について沈黙を守り続け、アベノミクスの「成功」や「効能」――実際にこの4年近くもの長い期間に達成されたものでもない、単にこれからあり得るかもしれないような「効能」や「成果」といった、怪しげなもの――について、つまりゲテモノについてもっぱら語った。

 安倍は「憲法改定の意図を隠している」といった批判を聞き流しつつ、いわば?アベノミクス一本で?勝負し、勝利したのである(我々は闘わずして小手先の“選挙戦術”に頼るなら民共は決して勝てないだろうと主張したが、結果はまさにその通りになった)。

 民共はそんな安倍に政治的に対抗することができず、まさに実践的、政治的に決定的に敗れ去った。そして政治的に敗北しておいて、野党共闘とかの数合わせで何とかつじつまを合わせようとしても、うまく行くはずもなく、完敗をカバーすることはできなかったのである。

 しかも彼らは野党共闘で闘うと言いながら、少しもまじめでも真剣でもなく、一人区の香川はもちろん(唯一、共産党が野党共闘の候補者になった選挙区、民進党は共産党候補の支持を拒否し、ろくに闘わなかったから、1+1が3にも4にもなるどころか、民共の支持票を大幅に下回る得票しかなく惨敗した)、ほとんどの複数区で党派エゴを丸出しにして対立し、対抗して票を奪い合い、共倒れし、議席を失うなどして数議席も自公や維新などにみすみす献上するという裏切り行為をやったのである(千葉、神奈川、大阪、兵庫では勝てる議席を反動派に差し出した、そして福岡等々でも党派エゴ丸出しで乱立した)。

 この数議席を失ったことは決してどうでもいいことでは決してなかった。というのは、自公や反動は辛うじて無所属等々の数議席を加えることによって、参院で3分の2の勢力を確保できたからである、つまり3分の2の議席を反動勢力に与え、改憲国会発議という安倍の野望を助けたのは野党共闘派のせいであり、彼らが結局党派エゴにこだわったため、と言われても、民共は何の弁解もなしえないのである。

 安倍が今回の参院選で憲法問題を問わないというなら、そしてアベノミクスで勝負するというなら、民共はそれを「受けて立ち」、堂々と闘って何かまずいことがあったというのか、むしろ好機至れりと、それで対決すべきではなかったのか、というのは、アベノミクスはすでに行き詰まり、破算が完全に暴露されており、しかも重要なことは、ますます暴露されて行きつつあったからである。

 だが民共はそんな“正道”を歩む意思も信念も展望もなかった、というのは、第一に、彼らは観念的なドグマ――民主主義的、平和主義的(そして“天皇制的”でさえある)憲法を、歴史的に評価することができず、観念的に絶対化し、美化するような歴史観念論、形而上学的観念のとりことなっていたからであり、第二に、アベノミクスと対決して断固闘い、それを圧倒し、粉砕する信念も見通しも持っていなかったから、持つことができなかったからである。

 第一の点について言えば、我々はすでに多くを論じてきた。民主憲法や立憲主義といったものは、250年ほども前の、ブルジョア革命の時代の革命派(ジャコバン派、ジロンド派)のイデオロギーであり得ても、頽廃を深める現代において、資本の支配に反対して闘う労働者にとっては陳腐で、反動的でさえあるイデオロギー以外ではないのである。「市民主義」といったものも、事実上、すでに現代の頽廃した資本主義に寄生する、独りよがりの観念的インテリの立場でしかない。

 アベノミクスに民共が反対し、それを徹底的に暴露して闘い得なかったのは、民共自身が半ば――否、根底的に!――アベノミクスと共通の政治的、観念的な立場に立っていたからであって、両者の違いは、安倍が、そしてマスコミ・リベラルなどが、現代の空疎で、子供だましのような内容しかない経済学(ケインズ主義)を援用したのに対し、共産らがスターリン主義派のプチブル的空想でしかない“過少消費説”にとらわれていたということだけであって、「消費」や「需要」の拡大や創出がデフレや経済的な不況や停滞を一掃するし、なし得る――事実はむしろ、その反対であるし、すでにそうであることが事実と経験の中でも明らかになっているのだが――といった幻想を、従って、国(政府)や日銀を通したカネのバラまきこそが彼らの“神”であって、そんな柄の悪い政策が世界を救うという幻想を信じていたという点では全く同じであった。

 民進の岡田は消費増税論者でありながら、参院選に際して、安倍より先にそれを言わないと、安倍と闘うことができないなどと考えて、自ら消費増税の再延期を持ち出し安倍を助けつつ、財源は国債発行(国家の借金)で賄うなどといって、混乱と背信を繰り返しつつ恥じるところはなかった。

 共産党の志位は、安倍とともに消費増税の延期が景気回復や、経済停滞からの脱出のカギであるかの俗流的な立場――インテリやくざのリフレ派学者と同様の、半デマ的“ポピュリズム”の立場――を暴露し、安倍と一緒になって、もし賃上げがなされれば――仮定で語ってどうするのか――、景気が良くなって、ブルジョアも労働者も共に大満足のめでたしめでたしの社会がやって来ると言った世迷い言を、ありもしないユートピア幻想を振りまいた。

 かくして民共は参院選において最初から負ける闘いを挑んだのだがそれは彼らの階級的な立場が自由主義的でありプチブル的であって、安倍政治の根底を突くことが決してできなかったからである。

 民共は政治闘争で安倍に敗北しておいて、党はエゴを隠したご都合主義的な“戦術”(野党共闘)によってそれを挽回することは決してできなかったのである。政治的に安倍に打ち勝つことができたなら、民進党は共産党の助けなど少しも必要ではなかったのである。一人区だけとっても、07年の参院選で、民主党は完全に自民を圧倒したし(民主23、自民6)、1989年にも旧社会党は“オタカさん”(土井たか子)を先頭に立てて、消費税反対をスローガンに自民を粉砕している(社会23、自民3)。共産党の助けを借りて、何とかしようとしたことこそ、今の民進党のなさけない日和見主義や敗北主義でしかなく、自らの政治闘争に対して最初から何の自信も展望もなかったことを教えている。

 民共は、憲法で対決しようとして――対決できると間違って考えて――、かえって安倍の勝利を許すと共に、憲法が事実上、参院選の“争点”であることを国民大衆に印象づけ、また客観的にも確認させてしまった、つまり「ヤブをつついてヘビを出した」のである。

 もし安倍が憲法を持ち出さないというなら、そのままにしておけばいいのである、というのは仮に安倍は勝利したとしても、憲法で信を得たと公然と言うことはできなかったからである。もしアベノミクスで信を得たと言うしかないなら、参院選後いくら安倍でも、ぬけぬけと、自分は憲法で信任を得たかに厚かましく振る舞えたかどうかは怪しいものである。

 仮にそんな風に振る舞うなら、労働者、勤労者は安倍に対して、参院選では憲法で立場を問われていない、安倍が憲法改定をやるというなら、ちゃんと選挙で信を問えと言い、安倍を糺弾できるのである。

 だが民共が頼まれてもいないのに、憲法が“争点”だと騒ぎ立てることで、事実上それが“争点”ということにされたのであり、そういうことになってしまったのである。安倍にとってはほくほくものだが、民共やマスコミ・リベラルや市民派ほど愚劣な諸君はいないというしかない。

 我々は憲法論議を恐れるものではなく、また改憲策動を恐れなくてはならない理由も何もない。というのは、安倍政権のそんな挑戦を受けて立ち、そんな策動を打ち破っていく決意と準備があるし、またそうした準備と闘いをさらに強化しつつあるからである。


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7月22日 (3 日前)


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